朝4:00に起床。長い1日が始まった。
アイアンマンに出よう。と思って練習やらなんやら色々と準備を
して来た。五島のアイアンマンは中止になってしまったがいよいよ
レース本番の当日の朝を迎える事になってしまった。もうちょっと
時間があったらなぁ〜等と思う。
日本から持って来た「ごんぶと」と、昨日買った韓国寿司を食べた。
いい感じである。韓国ののり巻き系はダメだったが、寿司が以外と
美味い。ごんぶとの汁で流し込む。海を見ると物凄く荒れている。
スイム中止にならないかなぁ〜等と思いながら GGs のユニフォームを
身に付ける。
5:40頃、タクシーで会場へむかう。皆ウエットを着込み
ヤル気満々状態である。スイム会場はここの少し下。
皆海が荒れているのを知らない。
徐々にスイム会場へと選手が流れていく。秋田も「本気でやるの?」
と、半信半疑でウエットスーツを着て、スイム会場へと向かう。
やはり荒れている。正直このままスイムに入ったら生きて帰ってくる
自信がない。泳ぎ始めてもブイが見えないであろう。また、
助けを求めても、助けがそばにくるのに時間がかかるであろうし、
助けを求めている姿が波間にあり、確認してもらえないであろうと
思った。かなりピンチである。
しかし、群衆心理とは恐ろしい、このままスタートの号砲が鳴ったら
秋田も若干躊躇しながらも海に入って行く事になる。いよいよかぁ〜。
中止にならずにスタートするんだ。ヤバいなぁ〜。等と思いながら
覚悟を来てかけていた時、スイム中止のアナウンスが流れた。
おぉ〜〜〜〜。助かったぁ〜。やる気満々だった人はかなり
悔しそうにしていたが、秋田はルンルン気分である。あの海に入ったら
ほんと、死んでたと思う。
スタートは8:00からとなり、プロ、女性、ゼッケン番号の逆順で
3秒置きにスタートする事になった。秋田はちょうど真ん中あたりの
スタートである。時間になるとどんどんスタートして行く。スグに
秋田の順番になりスタートした。
スタート直後、そもそも遅い秋田は同じ年代(ゼッケンは年代順)
の人にどんどん置いていかれる。後からスタートする若い年代に
どんどん追い越される。困ったのは、レース序盤、若い年代で早い人の
ペースでレースが進んでしまった事である。
いつもはビリの方でバイクパートに入るので、バイクのレベルは
同じくらい。周回のコースの場合は別であるが、今回はほぼ同じ時間で
スタートしたので、かなりペースが狂った。
5km地点あたりまでは息切れしてしまい、このままリタイヤか?と
思うくらい苦しかった。10kmを過ぎる頃には自分のペースを
保つ事ができ、息切れも無くなって来たので落ち着いてレースを
運ぶ事が出来た。落ち着く為にした事は、深呼吸と飲む、食う。
である。飴をなめたのがかなり良かったと思う。
道はかなり良いが、路面が濡れてている。小雨も降っている。
広い道では飛ばすだけ飛ばした。時速は55km以上に達した。
40kmあたりで1時間20分。秋田にしてみればもの凄い
ハイペース。かなり追い風だったようである。
この頃から若い人に抜かれなくなった。たまに秋田より年上の方を
抜いたりするようになって来た。
晴れていたらどれだけ気持ちがよいのだろう?等と考えながら
海岸沿いを快適に走り抜ける。どのくらいの距離だったか忘れたが、
山道に入った。登り坂+向かい風。漕いでも漕いでも進まない。
速度は15km以下。辛い時間の始まりである。
100kmを越えたあたりに一番の傾斜のキツイ登り坂がある。
半分くらいの人が押して上がっていた。アイアンマンジャパンの為に
付けたスプロケットが大活躍。押さずに何とか登り切る事が出来た。
ここから先は霧との戦い。視界は10m程かと思う。登ってるのか?
下ってるのか?向かい風が強くて解らない。スピードが出ないから
登ってるのだろう?くらいな感覚である。せっかくの下りも霧のため
スピードが出せない。雨が顔にあたって痛い。
バイクコースの山道はかなり危険であった。事故は無かったんだろうか?
天国ってこんな感じかなぁ〜?もしかして実はスイムやっておれは
死んでるのかなぁ〜。なんてぼぉ〜っと考えながら霧の中を進んだ。
しばらく下るとだんだん霧が晴れて来た。雨もやみ町中に入る。
知人に「済州島は犬に気をつけろ」と言われていたが、何の事かさっぱり
解らなかったが、犬を放し飼いにしているのをこの町中で何回か
見かけた。韓国では犬は放し飼いなのか?等と思いながら、
ストレッチを混ぜながら町中を走った。
しばらくすると幹線道路に入る。ランの為に体力を温存して
おかなければならないので、長い下りは漕がないで下る。
道が良いのか?下りで漕がなくても50km程度のスピードが出る。
170kmを越え、ワールドカップスタジアムが見えて来た。
バイクパート終了までもう少しである。
最後の力を振り絞らずに安全にバイクパートのゴールをした。
ボランティアの中学生がバイクを預かってくれ、ランギアバッグを
渡してくれた。嫁とも話をする事が出来た。
着替えのテントに入り着替えをしているとWe Are The Champions
流れて来た。1位の選手がゴールしたようである。
「これからフルマラソンかよぉ〜」と思いながらランの支度を整え
ランをスタート。スタート直後足の指がこすれている感じがしたので、
靴と靴下を脱いでワセリンを塗った。これまで塗った事は無かったが、
雨でビショビショなので、塗る事にした。
正直これからフルマラソンはかなりキツイ。
14kmのコースを3周回するコース。走ったり歩いたりしながら
我慢を続けた。ペースもあまり良くなくキロ8〜9分ペース。
色々な事を考えながら走っていたつもりなのだが、あまり覚えていない。
つまらない小さな事を何回も考えていたように思う。
ゴールしたら泣いちゃうのかなぁ〜なんてそればかり。
ランは5時間以上かかっているが、秋田の中では空白の時間だった
感じがする。強烈に覚えているのは2つ。
・エイドステーションで普段口にしないコーラを飲んだ事。
・歩いている時に最高齢者の遠藤澄夫さん(76)に「頑張って下さい」
といわれ抜かれた。それを期に元
気を取り戻して走り直した事。
くらいである。
とても長い時間走った。あたりはすっかり暗くなってしまった。
ゴール地点のワールドカップスタジアムが見えて来た。
嫁の手をとり一緒にゴール。色々と有り難う。感謝の気持ちを込めて
一緒にゴールをしてもらった。今日のゴールは嫁のゴールでもある。
疲れたぁ〜。涙は出なかった。フィニッシャーのバスタオル
(っぽくなかったが大きさがそれ)と完走メダルをもらった。
メダルにIRONMAN と書いてあったら涙がこぼれたかもしれない。
バイクとバイクギアバッグを受け取り、帰路に付く。
嫁が e-mart で買い込んだ食事を軽くとりそのまま就寝。
長い1日が終わった。
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